その5 タナゴの青緑の色変化は何故 ??
春のヤリタナゴ婚姻色でレポートした色素細胞です。
凄い色です。(^ ^)/
これら婚姻色の色素は、学問の世界で5種類に分類されます。

1.黒色・・・自律神経・ホルモンで拡散・凝集する、光吸収性細胞
2.赤色・・・自律神経・ホルモンで拡散・凝集する、光吸収性細胞
3.黄色・・・自律神経・ホルモンで拡散・凝集する、光吸収性細胞
4.白色・・・自律神経・ホルモンで影響されにくい、光散乱性細胞
5.虹色・・・自律神経・ホルモンで影響される事もある、光反射性小板

タナゴの婚姻色は、これら5種類の色が複合的に発色して出来上がる訳です。
ここで復習ですが、色三原色の原理から考えると、黒色と赤色と黄色だけでは緑色や青色を混色再現できません。赤色はマゼンタ(赤紫)に近い色で、かつ、緑色や青色は、虹色細胞により発色していると考えると分かり易くなります。
この虹色細胞が面白い仕掛けなのです。
虹色細胞について、学問の世界では次の説明がされます (^^;

虹色素胞(細胞)は色素物質を含まずに、重なった薄い膜が多層構造になっている。この多層(重層)構造(薄膜)は、互いに影響(干渉)して物理色・構造色を発色していて、大きく次の2種類に分けられる。

@例えばカツオなんかの銀色
重層薄膜の中で、高い屈折率のグアニン結晶と、低い屈折率の細胞質の光学的厚さ(屈折率×実際の厚さ)が同じ場合、高い反射率となり、どこから見ても銀色になる。

Aタナゴなんかの青緑色
重層薄膜の中で、グアニン結晶がすごく薄くなり、相手の細胞質との光学的な厚さのバランスが崩れた時、反射する光は色々変わり易くなって蛍光色的に鮮やかな色を見せる。
以上の理屈から我孫子が独断的に推測すると、次の様なストーリーになります。

タナゴの婚姻色、とりわけ青色や緑色は、虹色細胞の中のグアニン層が凄く薄いので、太陽光の当る角度によって、特定の青色や緑色を魅せる。そして虹色細胞はシアン(青緑)カラー中心なのです。多分、

左写真で見られる、青(紫)色の粒状色素胞は、これらの虹色細胞の上か下に隣接するマゼンタ(赤紫)細胞との混色発色であり、同様に緑色の粒状色素胞は、虹色細胞+黄色細胞の混色発色と考える訳です。

かなり理屈っぽくなりましたが、タナゴ婚姻色の七色変化はタナゴ固有の繊細な虹色細胞と太陽光線がもたらすマジックなのではないでしょうか。

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